【書評】本質を見抜く考え方

こんにちは。枝葉末節が気になって仕方のないはなくとです。

今回は、「本質を見抜く考え方」という書籍を紹介したいと思います。本質とは何ぞや。

1.概要(気になったところだけ)

■考え始める技術
・自分の座標軸をもつ

・宙ぶらりんにたえる
 →結論を急がない

・必ず言葉にしてみる
 →言葉が貧弱だと自分の考えも貧弱になる

・自分なりの仮説をたてる

・とにかく一度結論を出す
 →後で検証もできる

・最初の直感を思い出す
 →後でなぜそう思ったか考え直す

・難しいことをやさしく言い直す

・行動しながら考える
 動あれば反動あり

・三つのセオリー
 →動あれば反動あり、慣性の法則、鹿威し

・問題を三つの要素に分ける
 →例 固体液体気体 縦横高さ

・答えよりも考え方

■考えを深める技術
・民意も過つ
 →衆愚。変わり者も大事

・自分の頭のルーツを知る

・どんな情報も歴史に還元する
 →歴史から考える

・問題の外に出てみる
 →問題を自分の立場で考えない。大局的に見てみる。
    世の中の出来事は縦横無尽につながっている

・良き異端を目指す
 →他の考えや常識に疑いを持つことで考えが深まる

・面白いと感じる方を選ぶ
 →感じることが大事。感性に従う。

・逆説を愛する心をもつ
 →一見無秩序で不可解な世界に立ち向かってこそ考える力は養われる

・迷いは将来への投資ととらえる
 →もう一人の自分をどこまで大事にするか。迷いのなかで自己検証しながら考えを深める

・粘りと潔さの両面をもつ
 →せめぎあう2つの要素を楽しむ境地

■間違いを減らす技術
・択一より共存を意識する
 →対立軸が一方に傾くと危機を招く

・論理は保険と心得る
 →普段は直感にたよるスピード重視でもよい。
  リスクが大きいときは検算のつもりで論理で確認する

・自分に都合のいい論理を調達しない
 →日本人は空気で行動する。論理も思い付くので厄介。

・正しいことと効率のよさを混同しない
 →上記は相反する。効率を求めると別のリスクが増える

・効率と精神のバランスをとる
 →無理矢理統一せず相反するものをバランスを取りながら持ち続ける

・効率を量でなく質でとらえる
 →質的効率が日本のいきる道。差別化。本物。

・近代の終わりを意識する
 →モノを追いかけた時代は終わり。本性に戻る。
   江戸時代は質的効率を求めてた。すべてリサイクル。

■世の中を考える技術
・国単位でなく文明単位で見る
 →考え方の座標軸を文明単位で見ると正確に世界をとらえられる

・どん底から復活を考える
 →どん底を経験した人間の心のなかに生まれる覚悟

・世と人とは元来うまくいかない
 →人は世の中といかに折り合っていきるかは永遠のテーマ

・評価ではなく事実だけを見る
 →事象や歴史の確かな事実だけを見て人の評価にとらわれずに自分の頭で考えることが大切

・本分を貫くことで社会貢献を考える
 →世の風潮や私利私欲で強者に媚びるのは論外。

・天下国家も自分の問題としてとらえる
 →自分に関係ないように見える問題も身近に引き寄せると見え方が変わる

・国を知るには神話を知ること
 →国民の心理を知る

・日欧のエリートを同じ土俵に置かない
 →日本にはエリートは生まれる素地がない。征服民族はいない。平等。

・政府と国民の違いを知る
 →アメリカ人はワシントンを意識していない。
  世の中を正しくとらえるには政治中枢と一般庶民の意識を区別して考える。

■疑問を抱く技術
・ふと浮かんだ疑問を封じ込めない
 →情報は歪められていることがある。ふとわいた疑問は突き詰めて考えると真実が見える。

・誰も疑わない美しい言葉こそ疑ってみる
 →美しい言葉を前にすると思考停止になる

・数字や論理の正しさに惑わされない
 →形式的な数字よりも肌身の感覚を大事にする。
    三段論法は聞き手が待つ姿勢になり騙されやすい。立ち止まって考える心の強さ

・先に結論ありきの議論に注意する
 →反論の余地のない見事すぎる議論は結論ありきの可能性がある。
    特定の結論に都合のいい情報ばかりが採用されていないか注意する

・早く見つけ遅く行動する
 →推移を見極めじっくり対策をたてる。実行は急がずタイミングを見極める

・全員一致はまず間違いと心得る
 →東京一極集中のせい?

■情報を考える技術
・変化を見る前に不変を見る
 →変化とは、全く違うものに変化するのではなく、
    不変のものが底流にあると考えるとすべての状況が納得できる

・バラバラの事実と数字を見つめ直す
 →一見バラバラに見えても支流が集まって本流になるようにやがてその本質が見えてくる

・自分の絵にして精度を高める
 →公開情報を無視せず自分なりに整理し確度を高める。集めっぱなしにしない。
    最後のピースは直接話を聞いて集める。

・目的意識を明確にする
 →集めることが目的ではない。

・チェックには別の頭を使う
 →情報収集と判断の役割を分けると先入観や予断を排除できる

・危機はまず人心の変化に現れる
 →人の心に変化が現れると出来事になる

・予兆を感じるアンテナを磨いておく
 →大きな変化にはそれに先立つ小さな変化が発生する場合がある

・三十年以上先は現在の延長で考えない
 →現情勢の分析の延長で長期予測をたてても大きく外れる

・日本人を明確に意識する
 →自画像をはっきりもてばもつほど物事をしっかり考えられる。

2.感想

「本質を見抜く考え方」といった題に沿った内容だけでなく、もう少し幅広い「考え方」が書かれていました。事実だけでなく背景(文明、歴史まで含む)まで含めて考える、との記述を見て、「只者ではなさそうだ」と感じ、思わず著者をGoogle検索してしまいました。すると歴史学者であり、国際政治学者であることが分かりました。

この本には、著者の歴史学者、国際政治学者としての活動から得られた知見が書かれています。通常、この類の本はマッキンゼー等のコンサルタントによって書かれることが多いのですが、違ったバックグラウンドを持つ著者ならではの内容だったと思います。お薦め。

おしまい。

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